ビルのおじさん

このビルが建てられたときから、ずっと見守ってきたベテランです。

中学校を卒業して、おじさんはこのビルのオーナーさんに雇われました。

「どうかこのビルの安全を守ってほしい。そしてこの街に役に立つビルにしてほしい」

おじさんは一生懸命働きました。

暖かい春の日も。
太陽が元気に輝く夏も。
木漏れ日がやわらかな秋も。
凍てついた風が吹く冬も。

おじさんは毎日毎日、ビルの点検を欠かしませんでした。