ビルのおじさん

ある年の夏。日照り続きになりました。

おじさんは朝からビルの前のアスファルトに打ち水をしました。でも焼けて照り返しがひどく、とおりかかった女性は買い物袋をぶら下げてふらふらとしていました。こんなに暑いのに真っ青な顔でした。

おじさんは声を掛けました。

「熱中症になるといけません。ビルの中で涼んでください。お水も使ってください」
「ああ涼しい。お水も冷たくておいしいわ」

休んで女性は元気を取り戻しました。顔色もよくなりました。