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「はっ……理っ、と……きも、ち、い……っ」
息継ぎの合間に、奏は相手に伝える。欲張って高辻の首に手を回してみたが、これも拒まれることはなかった。恋人同士のように抱き合うこの時間が、永遠に続けばいいのに。そうは思っても、高辻の手によって性感は絶頂に向かって高められていく。
やがて大きな波が全身を駆け巡る感覚に、奏は震えた。与えられていたのは外からの刺激だけだったが、中への刺激で果てるような感覚だった。
「…………っ!」
大きすぎる絶頂に、声も出ない。高辻の体にすがりつくことしかできない。
一歩遅れて、高辻も「くっ……」と声を漏らし、体を震わせる。同時に奏の腹の上に、生暖かいものが放たれる。
果てたことで冷静さを取り戻したのか、高辻の唇は離れていった。追いかけてしまいそうになる舌の中心に力を込め、思いとどまる。
けれど、高辻の唇は再び降ってきた。唇に唇を覆われ、不意打ちのプレゼントに涙ぐむ。死んでもいい、と思った。
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