オメガ社長は秘書に抱かれたい

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 会社を辞める前から、奏は高辻の有能さを認めていた。高辻が辞めることになったら、どれだけ仕事に支障が出るかも分かっていたつもりだ。  だが、高辻がいなくなった今、恋を失った悲しみと同じくらい、高辻が仕事のパートナーとしていかに大きな存在だったかを、実感する奏だった。  郵便物で散らかった社長机の上に、ため息を落とす。高辻と肌を合わせたあの日から胸にわだかまるのは、後悔と寂しさ、そして虚しさだった。
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