プロローグ

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プロローグ

 長いなぁこの行列。  いつまでたっても少しも前へ進まない。   「全然進まないよね」  前にいる男に話しかけても、ちらっとこっちを見ただけで無視されてしまった。まあそうだよな。初対面だし。  俺は誰彼かまわず話しかける方だけど、世の中には人見知りがけっこう多い。朝の挨拶とかしてもスルーなんて当たり前。挨拶ってけっこう大事だと思うんだけど。  あまりに進まないので白いロビーの手すりに腰かけて足をぷらぷらさせる。  天井が高くて明るいけど何もない。このフロアから下の方に続く階段がいくつかあって、そこにもずっと行列が出来てる。行列は一つじゃなくて、六つくらいかな。ゲートもそれ以上あるっぽい。 「はい、お待ちの間にアンケートをお願いします」  この施設の係の人だろうか。滑るようにやって来て紙とペンを一枚ずつ渡していく。暇なので受け取ると、それは本当にアンケート用紙だった。 『①生まれ変わったらどういう人生を送りたいですか? ②希望する能力はありますか?』  何だこれ。  よく分からないけど、暇つぶしにはちょうどいいかな。  とりあえず①には異世界転生して楽しく暮らす。あと恋人も欲しい。とでかでかと書いてみる。それから②にはなんでもいいからチート能力と記入した。
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