誓約

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「竜はなんでも食べられるのか?」 「多分なんでも食べられるよ。人間と一番違うのは、鉱石を食べるところかな」 「鉱石……」 「人の姿では食べないけどね。顎の力が違うし、竜の時はあんまり味わって食べないんだ。人間の姿の方が食べ物は美味しい」 「不思議な話だな……」  食事を一緒にとりながら、ヒースと竜の時の話ができるのが嬉しい。もう秘密にしなくていいんだ。もちろん他のみんなには秘密だけど、二人だけの秘密だと思うと、それはとてもわくわくする。 「ヒースが赤ちゃんの時にミルクを飲ませてくれたから、今でもミルクは大好きだ」 「鉱石を食べさせるなんて思いもしなかった」 「虫とかを食べさせないでいてくれて助かったよ。鉱石はお腹の中でチカチカして、ちょっとむずむずするけど、エネルギーの塊だから魔力に変換できる。あと竜はみんなお酒好きだよ。俺は弱いから少ししか飲んだらダメみたいだけど」 「お酒か」  そういえばヒースがお酒を飲んでいるところ、ほとんど見たことないな。今度一緒に飲んでみよう。 「俺の城はお金がなくて、高額なお酒はあまり置いてないんだ。備蓄も少ないし城自体も古くてあちこち壊れてる。村人たちの善意で補修してもらっていたくらいだ」 「ヒースの城に帰ったら俺が直すの手伝う。俺、力持ちだからなんでもできるよ」 「ありがとう、カル」  それからヒースをお風呂に入れて、俺は付き人時代と同じく片付けとベッドメイクを済ませる。それから近くで待機。待っている間に目を閉じて、ジェイソンが言っていた王城の封鎖を調べることにした。
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