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別れと出逢い
この話はその辺に居そうな普通の男の恋バナである。決してイケメンではなく、不細工でもない。身長も平均で特技はない。頭はかなり悪い。そんな男のアホな物語。
「さてっ、今日は勝てるかな」と山田ひろしはパチンコ店に向かう。
そして、数分後、パチンコ店に着いた。
パチンコ店に入店すると、北○無双という台に座って打ち始めた。
少しすると『激あつ』の演出が来た。脳汁が大量に出る瞬間である。そして見事大当たり。「よっしゃぁ!!」そして台からは、《rush突入》「確変!!神様ありがとー!!」
「今日は勝てるぞ。久々の大勝だ」当たりの後の『愛をとりもどせ』の曲がまたいい。
「今日は7万勝ち♪『愛をとりもどせ』でも聴きながら帰るかな?」
そして、気を良くした彼はパチンコで流れてる曲『愛をとりもどせ』をスマートフォンにダウンロードした。
そして、車のBluetoothに繋げて
♪you are shock~♪
愛をとりもどせをリピート再生して、聴きながら帰るのだ。
途中コンビニで電子タバコを買った。
桜も近づくこの頃、お花見のチラシが目につく。今年はどこにお花見行こうか?彼女のゆずにLINEをした。
「今年はどこに花見行く?それと、ゆずの好きなの買ってくね。後、今日ゆずの家行くから楽しみに待ってて」
とLINEを送った後、近くのスーパーでアイスやらチョコ、プリンを買って車に戻る。
──きっとゆずも喜んでくれるだろう?
少しにやけながらLINEを見る。
「私、他に好きな人が出来たの」
────んっ。
「またまた……そんな事言って」
「ごめん。本当に。だからもう別れよ?」
その後の返信はなかった。パチンコで大勝し、気分は最高潮だったはず。だが、これほど最悪な1日はなかった。
車の中『愛をとりもどせ』だけが響き渡る。そして、彼女と一緒に食べる予定だったプリンやらチョコを1人で食べた。
花見も、GWも1人が確定してしてしまった。
「ふざけやがって、なんでこのタイミングなんだよ」
怒りと悲しみをどこにぶつければいいか分からない。彼女が居ないから花見を行かないというのも何故か嫌だったので、1人で行った。そして、たこ焼き、フランクフルト、お好み焼き、クレープ、最後はりんご飴を食べた。今日は彼女が居ないからいつも以上に食う、ただひたすら食うのであった。
───チキショー、ちくしょう、ちくしょう。
GWに入って暇を弄び、寂しさがました。
すかさずスマートフォン取り誰彼構わず電話やらlineをした。
「今日、暇?釣りでも行こうぜ」
だが、ほとんどが
「彼女と旅行だからまたにしてくれる」
「家族旅行だから無理だわ」
そんな答えばかりだ。
──な~にが彼女だ、奥さんだ?人の気もしらないで。
まあ、自分も去年まで彼女と一緒だったわけでだ。仕方ないと思う他ない。
「仕方ないから1人で釣りでも行くか?」
車にルアーと、この間買ったばかりのリール、ロッドを積んだ。
リールはSIMANOの『ステラ』気分が少しだけ上がる。「このリールさえあれば」そして海まで向かう。
「今日は車中泊して明日の昼に帰ろうかなぁ。イナダかサゴシ……まあ、どっちでもいいから釣れればいいや」
想いを走らせ1時間位で海に着いた。自分が住む場所は山しかなく海がない。山を越えなくてはいけないのが不便だ。だが、寂しさを紛らわすのにはちょうどよかった。
釣り場は誰も居ない場所を選んだ。砂浜の手前に車を停め、釣りの準備をする。
一投目で来たりして?そんな事を考えながらルアーを投げる。一投目では来なかった。そして、何度も投げると日が暮れた。
「まあ、明日がある……。牛丼でも食べてその辺の駐車場で車中泊するか……」
車で牛丼屋まで移動し、夕食を終わらせる。そして近くの公園の駐車場で車中泊をした。
───翌朝。
「今日こそは釣るぞ。絶対釣るぞ。こんないい事ないなら今日はいい事あるはずだ」
そして今日もひたすら投げる。ただひたすら……。
「おかしいなぁ。何も釣れない。そろそろ帰ろうかな?」そう思っていた時、小さいながらも魚がかかった。
「おっ!?なんかかかってんぞ!小さいけど、、なんだ?アジか?」バラさないように慎重にリールを巻くと魚が現れた。
「あっ、あっ、なんだよ。フグかぁ!!」そして帰路についた。
そんな最悪なGWを楽しんだひろしだか、休み明けに自分の働いてる部署に1人の女性が配属された。
「はじめまして。西村麗奈といいます。今日からこちらの部署で仕事をする事になりました。よろしくお願いします」
そしてこの女性と何をやってもダメなひろしの恋愛がスタートした。
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