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僕と職場
俺はその女性に一目惚れをした。
訳ではなく大して見ていなかった。いつもなら女の人が会社に来る度に盛り上がるのだ。だが、今回は失恋から立ち直れなかった
。
ちなみにどれくらい盛り上がるのかと言うと。う~ん『好きなアーティストのライブ』に行った時位、盛り上がる。それくらいこの職場は女っ気がない。
だが、今回は「自己紹介とかめんどくさぁ」位の気分だ。
ちなみに俺の会社は工場で油を使っている。そのため毎日、全身油まみれ。
そして、毎日油臭い。後、帽子を被っている。だから、仕事が終わって帽子をとると、髪の毛が帽子の形になっている。そう富士山のような形だ。だが、全く縁起はよくない。
もちろん髪の毛にも油は付く。まるでジェルを塗りたくったようにテカテカだ。
そんな俺が仕事終わりにコンビニに行くと女の店員は汚そうに僕を見る。
《ああっ、見ないでー!!》と叫びたくなるのだ。
だから俺は男の店員がレジをやってるコンビニを探す。何件でも探す。1時間位は探す。それでもない時は仕方がない。
そして家に帰って靴を脱いだ時、1日のお疲れ様が足から伝わってくるのだ。
「すっぺぇ、クサッ」
お風呂の時は特に足には気を使う。まず足に石鹸を付け、髪を洗う。そして、体全体を洗い、足を洗う。
そして、顔を洗ってる間は足をお湯のはった桶に付ける。そしてまた足を洗う
。
その後、髭を剃ってる間また足を桶に付ける。そして、足をまた洗って、風呂にDAIVする、最後にシャワーで全身を流して終わり
。
それが俺の日課なのだ。後は、夕飯を食べ、歯磨きをして寝る。
朝、会社に行く。大きなあくびをして、職場に着く。
「おはようございます」その後、朝礼が始まり「今日も1日よろしくお願いします」と言って仕事がスタート。
仕事内容は……これまたしんどいのだ。毎日同じ事の繰り返しである。
機械に材料を取り付けて、スタートボタンを押す、加工された品物をとって、また取り付けてスタート、とって…………の繰り返しだ。
正直「つまんね、つまんね、つまんねぇ!!!」と叫びたい。
だが、給料が貰えるので我慢だ。そう。この仕事は我慢なのだ。
夏の暑い日、ただでさえ油まみれなのに、自分からも大量の油を出してる訳である。この会社にクーラーなんて便利なものはない。だから本当の油ぎってる男なのだ。いやっ、油の乗ってる男なのだ。
お尻の割れ目に汗疹が出来ると痒い。とにかく痒い。そして痒さが過ぎるととにかく痛い。めちゃくちゃ《ヒリヒリ》する。
歩いてる時が一番痛いのだが、座る時もかなりの激痛である。
そして冬はとてつもなく、寒い。とにかく寒い。暖房は一応ついてるのだが、あまり効果がなく、ただ寒いだけである。毎日手が凍るから、水道でお湯を出して解凍しなくてはいけない。
そんなこんなで我慢の連続である。だが、そんな俺にも楽しみはある。
そうそれは『キャバクラ』だ。1ヶ月に一回のキャバクラこそが生きる上での楽しみなのだ。女に会う機会の私に唯一、女に出会える機会だ。
そして、その時が来る。
「よっしゃぁ、今日は口説くぞ!!先ずは銀行だ!!」後はひたすらその時を待つだけ。
夜7時になった。キャバクラのある街へ電車で行き、そこからは徒歩だ。そしてキャバクラに着く。
「今日こそはキャバ嬢をお持ち帰りするぞ!!」8時入店。
「さきちゃん可愛いね。彼氏居るの」なんて話しを約3時間した。収穫はなし。だがまだお金はある。次!!
「みやびちゃんみたいな可愛い子初めてみた」そして、3時間後……財布は空になる。来る前のテンションはどこへやら。終電もなく、朝まで公園へ。
そんな俺に春はくるのか…………ただ考えるだけ無駄な気もする……
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