3人が本棚に入れています
本棚に追加
やっときたぁ
キャバクラが終わり次の日は一番つまらない日曜日だ。キャバクラは週末と言っても、土曜日しかいかないのである。
日曜日は最悪だ。本当につまらない。動画を見て、カップ麺買ってしかやる事がない。
「おっ、この動画面白いな?」そんな感じで1日が終わる。ちなみに夕飯のカップ麺は毎日決まっている。『 きつねうどん』だ。
毎日『きつねうどん』を食って寝る。はたから見ればつまらない人生だが。
生まれてきたからにはしたかない。そんな人生も謳歌するのだ。
そして、月曜日───
季節は6月も終わる。暑い、とにかく暑い。そんな中俺には嬉しい話が。
夏だから、BBQの話が職場で盛り上がっているのだ。
「BBQかぁ。いいっすね。ちなみに誰が幹事やるんすか?」そして皆さん私に指を指す。
「んっ、あっ、俺やるの?」俺は目を丸くして答えた。
「また俺やるんですか?マジかよ」そう言うと先輩達は決まり文句のように
「たくさん女は呼べよ?」と言って去って言った。
油ぎった状態で女性人に話しかけるのは苦手だ。だが、しかし、俺の面目が立たない。
やる時はやる男、それがひろしなのだ。そして手当たり次第声をかけた。
「7月の第3土曜日にBBQやるんですけど、良かったら来て下さい」
「まだ予定とか分からないのでまた今度返事します」こんな会話がほとんどだ。たまに即OKをくれるこもいたが、ほとんどダメだろう。
「あれっ、そういえばこの前こっちに来た子見ないけど」俺は不思議に思い後輩に聞いた。
「ああ、うちの部署ですけど場所違いますよ?検査に居ますよ」
「えっ、マジか?」
なんと、その人も女しか居ない魔の場所に……
そんな悪夢と葛藤しながら、検査室のドアの前に立つ。ドアノブを掴み、緊張の一瞬だ。俺はこの検査室には入った事がない。
そして運命の時が来た。ドアノブを回しドアを開けたのだ。
すると……「なにこの人?」と言わんばかりの視線……来なきゃ良かった。だが、引くに引けない俺は重たい口を割った。
「あの、7月の第3週の土曜日BBQをしようかとおもいまして、皆さんどうですか?」
───言えた……。
一仕事終えた気分だ。なんと言うか全校生徒が居る前で作文を読み終えた位の達成感。
まあ、ここでも女性陣からは、また今度返事をすると返ってきた。
「じゃあ、BBQの2週間前までにお願いします」
そう言って検査室を後にした。ヤンキーに囲まれて何故か助かった位、心臓がバクバクしてる。
一週間位経ってある1名以外の返事があった。そして、2週間近く経つ。
「仕方ない。最後の1人だし聞きに行くか?」そして、検査室へ。
「やっぱ、女性が沢山居る場所は苦手だな?」と立ち去る。そして1人になる瞬間を狙うのだ。探偵のように。
まさに会社で変質者になっていた。
検査室の前を通り、1人じゃないと戻る。いい加減仕事しろって感じだ。だが、チャンスが訪れた。残業してる間に帰ったかな?と検査室を開けてみると、
───居たっ。
そしてすかさず声をかける。
「あの、BBQの返事まだなんですけど」
まだ返事もらってないのはお前だけなんだよ!とちょっとイライラしていた。
彼女は振り返り答えた。「あっ、うん、じゃあ、行くでお願いします」と言った。
俺は彼女の顔を見る。そしたら、なんと、俺のタイプの顔だったのだ。そして俺は心の中て言う。
「フッ。まあ、いいぜ。返事遅かったけど特別に許してやる」そう、心の中でだ。
実際は、「じゃあ、今度会費だけ貰いに来ます」と言うだけだが。それと会費の金額を告げ去った。
少し嬉しくなり、ルンルンで歩くと油で滑ってスライディングをした。
「イッてぇ」なんとも無様な男だ。
最初のコメントを投稿しよう!