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「僕は沙菜と一緒にいたい。ずっと一緒にいるって決めたんだ。だから、ここが民泊になったっていうのを知った時から、沙菜と暮らすのはここって決めてた。今日からっていうのは、ちょっと無理をいってお願いしたんだけどね、快く貸してくれたよ」
「ちょっと待って。義也、仕事は?仕事行かないといけないでしょ?それに、暮らすってお金かかるし。そんなお金、わたしには……」
「大丈夫だよ。僕にまかせといて。少し落ち着いたらここから仕事にいくよ。ここからなら通えるし、半分以上はリモートで大丈夫だ。できるだけ沙菜の側にいる。沙菜は自分の体の心配だけしてればいい」
「でも……」
「嫌?ここで2人で暮らすの」
「え?嫌じゃないよ、嬉しいよ。でも……そんなのダメだよ……」
「沙菜、僕は沙菜が好きだ。大切なんだ。一緒にいたいんだ」
「私も同じ。でも」
「じゃあ決まり。でもは無し。いいね」
「…… はい ……」
はいと言ってしまった。お見舞いだけじゃなくて、一緒に暮らす夢まで叶う。嬉しい。罪悪感いっぱいだけど、やっぱり一緒にいたい気持ちをごまかせない。
義也、ありがとう。感謝しきれないくらい、ありがとうね。
「沙菜、これから色んな話をしよう。昨日の続きだ。ね!」
「うん。たくさん話そう!ずっと一緒にいてね!」
僕たちは話し始めた。今までの気持ちを全部。
僕たちは確認した。お互いをどれほど大切に思っているかを。
ずっとずっと、特別な人だったんだということを。
僕はその夜、沙菜にそっとキスをした。そして強く抱きしめた。
僕と沙菜は、お互いのすべてを重ね、今、初めて1つになった。
遅くなってごめんね、沙菜。
そうだよ、待たせ過ぎ。もうこんな歳になっちゃったじゃない。
大好きだよ、綺麗だ、沙菜。
大好き、義也。今までたくさん、たくさん、ありがとうね!
これからはずっと一緒だ。いつまでもずっと一緒だよ。
うん。ずっとね。ずーっと一緒……
終
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