9.咲良の答え

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 部屋に足を踏み入れる。どこか可愛らしい部屋が目に入った。置いてあるインテリアやカーテンのデザインなど、蓮也が住んでるとは思えないものばかりで少し笑ってしまう。恐らくお姉さんの趣味だろう。 「どうした」 「いや、お部屋可愛くてびっくりしちゃった。蓮也が住んでるなんて」 「全部あの人が決めたからな」  蓮也は不服そうに言う。それにまた笑ってしまった。きっとお姉さんには逆らえないタイプなのだ。でも一緒に暮らしてるぐらいだから仲がいいんだな。  私はテレビの前にあるソファに座らせてもらった。早速お姉さんがお茶を持ってきてくれる。それと焼き菓子が入ったお皿も。 「あ、ありがとうございます!」 「いいのよー。可愛い女の子は大歓迎! ゆっくりしてっていいんだよ」  優しく笑いかけてくれるこの人は、きっと何か勘付いているなと思った。そりゃあの荷物と目を赤くした私をみれば分かってしまうか。私は頭を下げた。 「じゃ、今日私は夜に帰るからね。泊まっていくなら全然泊まってくれていいから! 蓮也は変なことすんなよ」 「うるせえなバイト遅れるぞ」
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