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咲良は目を細めて笑った。口の端にマヨネーズをつけたまま食べるのを指摘せずに食事を続けた。いつかもこんなことがあったな、あれはケチャップだったか。
咲良がもう少し様子見でいいというならそうしようと思う。だが、もう油断はしない。出来ることは全部しよう。そうだまずは……。
「ごちそうさまでした」
咲良が手を合わせて言う。私はお茶を飲みながら言う。
「お風呂先にどうぞ。僕まだ食べてるから」
「あ、ありがとうございます」
「それと咲良ちゃん」
「え?」
立ち上がりかけた彼女に声をかける。こちらを覗き込むようにして見てくるその顔を見て、私は言った。
「もう、咲良ちゃんの部屋のベッドはいらないね」
そう告げたときの咲良の顔は、嬉しいような恥ずかしいような、複雑な顔で。イチゴのような真っ赤な顔があまりに可愛く、写真を撮っておきたいと馬鹿なことを思って笑った。
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