11.二人の未来

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 驚いたように目を丸くした蒼一さんは、すぐに考え込むように唸った。そして何かを思い出したような表情になると、立ち上がり私の正面に立った。彼の顔を見上げると、私の手をそっと取る。 「不満じゃないんだけど、一個聞いておこうと思ってた。なんで蓮也くんの家にいたの?」 「え」  蒼一さんはどこか困ったような顔をしていた。私は慌てて説明する。 「朝たまたま会ったんです……! 私の様子を見て心配してくれて、家に来ていいよって。実家に帰って色々聞かれるのは辛いなと思ってたから、彼の言葉に甘えたんです」 「ふうん……」 「あ! あの家は蓮也の一人暮らしじゃないですよ、朝はお姉さんもいて。夜にはバイトから帰ってくる予定だったんです」  私の説明にも、どこか彼は不満そうな顔をしていた。怒っている、とはまた違う顔だ。悲しげで拗ねたような顔で、そんな蒼一さんの顔は初めて見る気がした。 「何してたの?」 「お茶して、あとは眠くて私は寝ちゃってました」 「……ふうん……」 「…………あの、もしかして、妬いてくれてますか?」
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