11.二人の未来

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「確かに挙げたけど……あれは咲良ちゃんが選んだ式場でもないし、ドレスも装飾も全部人が決めたものだったでしょ。その日突然新婦にさせられて、一生に一度しかない結婚式があれじゃなって気づいて。遅いよって感じだけど。  流石にあんなふうに招待客よんで大々的には出来ないけどさ、親しい人だけ呼ぶとかしてやればどうかなって」  言われてみればそうだった。元々は蒼一さんとお姉ちゃんの式だったから、私は段取りすらよくわからずされるがまま一日終えただけ。緊張もすごくて、ほぼ記憶もないぐらいだ。  別にそれを不満に思ったことなんてなかった。でも結婚式に憧れというものは女として持っていたし、何より蒼一さんが提案してくれたことが何より嬉しく感じる。でも二回も結婚式なんて、どうなんだろう。 「ありがとうございます……でも迷っちゃいます」 「考えておいて。何も遠慮はいらないから、咲良ちゃんの気持ちでやりたいかどうか」  そう言った蒼一さんは再度大きく伸びをした。そろそろ起きようか、と提案を受ける。私も賛成しようやく二人でベッドから離れた。重い腰を上げる。
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