11.二人の未来

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 並べられたメイク道具やアクセサリー。掛けられたウェディングドレス。控え室で、ドキドキしながらそれを眺めた。  天気には恵まれ、青空と真っ白な雲が美しく見える日だった。教会から見える海は濁りのない色で、うっとりするほどの絶景が広がっていた。  この日のために磨き抜いた自分が大きな鏡に映っている。そこへ、メイク係の人が笑顔で声を掛け、私の肌に触れ出した。そういえば前の結婚式も、こうやってメイクしてもらったんだっけ。ほんと、あんまり記憶に残ってないや。  自分で施すものとはどこか違う。プロの技術とはすごいもので、あのパーティーの時も思ったが彼らがしてくれるとぐっと大人っぽく見えるのはなんでなんだろう。普段とは違うファンデーションの香りに目を瞑る。  髪型も髪飾りも、自分で選んだものだ。丁寧に巻かれていく髪をじいっと見つめる。  今回の式は来客などいないというのに、それでも緊張してしまっていた。ワクワクもするしドキドキもする。二回目でも結婚式ってこんな感じなんだ、と感心した。私が緊張しやすいだけなのかな。 「天気よくてよかったですね」 「はい、気持ちいいです」
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