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ふわりとした軽い裾が広がるAラインのドレス。シンプルだけど上品で可愛くて、とても気に入っている。これに決定するまでにどれほどの時間を費やしたっけ。
そのドレスに袖を通し、小物もつけていく。全て自分が選んだものを身にまとい、完成した姿を鏡にうつした。
あの時の式は、どこか浮いていた。お姉ちゃんが選んだドレスに髪型、小物。元々趣味も似ていなかったし、タイプが違うので似合うわけがなかった。
でも今日は違う。全て私も選ぶのに参加した。この場所も、ドレスも、小物も、全て。
じんわりと涙が浮かんだのを慌てて止める。まだ本番前なのに、何を泣きそうになってるの。しかも二回目のくせに!
自分に喝を入れている時、部屋にノックの音が響いた。はい、と返事をすると、スタッフに呼ばれた蒼一さんのようだった。
彼が扉を開ける。白いタキシードに身を包んだ蒼一さんは、悔しいぐらい似合っていた。相変わらず色素の薄い髪や白い肌がこれでもかというくらい綺麗なのだ。
彼は一歩こちらに足を踏み入れた直後、すぐに止まった。満月のようにまん丸にした目で私を見ると、すぐに顔を綻ばせた。
「すごい」
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