11.二人の未来

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「え?」 「可愛くて綺麗。最高に似合ってるね」  なんとも真っ直ぐな褒め言葉に、照れながらも微笑んだ。スタッフの人が、時間まで少し待つように言って部屋から出る。蒼一さんがこちらに歩み寄り、私に言った。 「座って。それ立ってるだけで大変じゃない?」 「あ、ありがとうございます」  椅子をそっと押してくれるのにありがたく従う。蒼一さんを見上げると、バチリと目があった。彼はさっきも言ったというのに、再び私に賞賛の言葉を並べてくれる。 「ほんと綺麗だね。全部選んだやつ大正解。めちゃくちゃ可愛い」 「言い過ぎな気が」 「今日言わなくてどうするの」  二人で笑い合う。穏やかな空気の中、蒼一さんが私の視線に合わせてしゃがみ込む。  そして少し迷うようにしていった。 「あのね咲良ちゃん」 「はい、どうしましたか」 「今日二人だけの式、って決めてたんだけど。  どうしても咲良ちゃんに会いたいって人が来てるんだよね」  はて、と首をかしげる。私に会いたい人?
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