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「え?」
「可愛くて綺麗。最高に似合ってるね」
なんとも真っ直ぐな褒め言葉に、照れながらも微笑んだ。スタッフの人が、時間まで少し待つように言って部屋から出る。蒼一さんがこちらに歩み寄り、私に言った。
「座って。それ立ってるだけで大変じゃない?」
「あ、ありがとうございます」
椅子をそっと押してくれるのにありがたく従う。蒼一さんを見上げると、バチリと目があった。彼はさっきも言ったというのに、再び私に賞賛の言葉を並べてくれる。
「ほんと綺麗だね。全部選んだやつ大正解。めちゃくちゃ可愛い」
「言い過ぎな気が」
「今日言わなくてどうするの」
二人で笑い合う。穏やかな空気の中、蒼一さんが私の視線に合わせてしゃがみ込む。
そして少し迷うようにしていった。
「あのね咲良ちゃん」
「はい、どうしましたか」
「今日二人だけの式、って決めてたんだけど。
どうしても咲良ちゃんに会いたいって人が来てるんだよね」
はて、と首をかしげる。私に会いたい人?
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