11.二人の未来

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 長い髪を揺らして彼女は笑う。そして力強い声で言った。 「幸せになってね、咲良」  私は何度も何度も頷いた。姉は立ち上がり、やや睨むようにして蒼一さんをみる。 「蒼一は大人なように見えて肝心な所抜けてるからねー。意外と咲良の方がしっかりしてるかもよ。ほんと、ちゃんとしてね蒼一」 「……言い返せないな」  困ったようにして呟く蒼一さんについ笑った。そう、二人ってこんな感じだった。私はそんな光景を小さい頃からずっと見てきたんだ。  蒼一さんがぐっと胸を張る。そしてしっかりした声で言った。 「もう間違わない。これからは咲良ちゃんを悲しませないって約束する」  真っ直ぐ言い切った蒼一さんを見て、お姉ちゃんは微笑んだ。そして一つ長い息を吐くと、私に振り返る。 「参列してもいい?」 「もちろんだよ! 嬉しい!」  即座に返答した私に笑いかけると、お姉ちゃんは出口に向かっていく。ドアを開けながら声だけ響かせた。 「安心したわ。これからはほんと、ちゃんと夫婦になってね」  そう言い残した姉は、外へと出ていってしまった。
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