同居3

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同居3

それからは、猫の鳴き声が聞こえても、また虎次郎が鳴いているのだと思い、気にならなくなってきました。 そんな、ある夜中の出来事でした。 私が薄暗いキッチンで煙草を吸っていた時、キッチンの片隅で、猫が身体を上下に動かし、背伸び運動しているシルエットを観ました。 その猫の体つきは、虎次郎と同じなのですが、虎次郎のハズでは決してないのですよ。 だって虎次郎は… キッチンの奥の居間の中のゲージて寝ているのを、その瞬間に同時に私は観てしまっているのですから… そして、その猫は私に気がつくと、まるでコマ送りような動きで、私に近づいてきました。 私はその時、よし正体を確かめようとしたのですが、それは無理でした。 何故かというとね… 薄暗い中ではありますが、私はハッキリ観ました。 その猫は猫の輪郭をしていますが、身体の表面は全体が細かい網目模様にしか、見えなかったのですよ… この話、次回に続きます。
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