同居5

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同居5

ただ残念なことに、その仔猫との楽しいひとときも、永くは続きませんでした。 あれほど毎日のように私の元に通ってきた仔猫が、一週間程で全く姿を現さなくなったのです。 どうしたのかな心配していたのですが、それから間もなく、私がバイクで自宅の付近を走行している時に、道路で頭だけを残して身体が煎餅のように潰れている、猫の死骸を見かけました。 その猫の顔は確認出来ませんでしたが、あの仔猫の散歩の順路を考えると、恐らく死骸はあの仔猫に間違いなかったと思います。 いま思えば、何とか飼ってあげたかったなと悔やんでいたのですが、実はどうも現在も一緒に暮らしているみたいなんですね。 つい先日のことなんですけどね。私がキッチンで用事をしていると、白地に薄い虹色のハッキリと仔猫の形とわかる影が、私の目の前を左から右に通りすぎていきましたから。 あの影の輪郭は、間違いなくあの時の仔猫だと確信しています。 そして今でも私のことを慕ってくれているんだと思うと、嬉しくて涙が出そうになりますよ。
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