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「無理だよ。いっちゃん。今までもこの趣味のせいで彼女出来たことないんだから」
動物園名物ぞうさんソフトを差し出しながら隆司が言う。
「小説を読めばイメージじゃないって言われて、話題のファンタジー漫画を読めばオタクって言われて、少女漫画を読めば変態って言われる。いっちゃんだけだよ離れていかないの」
そう言われてみれば…確かに。
スポーツ漫画にハマってた時は男子も群がってたけど、少女漫画とか読んでたら「何お前?少女漫画読んでんの?気持ちわりー」と言われていた様な…
「そりゃー中には男が少女漫画読んで何が悪いって言ってくれた子とかいるけど、いっちゃんみたいに食パン咥えて走ったりとか付き合ってくれる人いないよね」
「…いや、オレだって付き合ったわけじゃない」
なんとなく。…呆れながらも面白いことやってるなって…ただそれだけ。
「それ!その考え方!俺はこれからもきっと変わらないし、変われない。………こんな事に付き合ってくれるのは今まで生きてきた中でいっちゃんしかいないんだ」
それに…
「さすがの俺だって、昨日は勢いで言ったなって感は思ってたから、あれからずっと考えてるよ」
「考えてる…って?」
「恋愛的な意味で…本当にいっちゃんのこと好きなのかなって」
垂れてきたソフトクリームをペロリと舐めながら隆司がオレを見る。
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