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夏喜の後ろに立つジューダスは表情こそ変えないが、目の前に立つローワン牧師は決して彼に視線を送ろうとはしなかった。幽霊のように初めから見えないような、または、見てはいけない恐怖の対象のように。
「君から見れば、彼は何だろうな。そもそもわたしもだが。魔女の所業は異端だったかね?」
「え、ええ。い、いや。そんなことはございません。彼にも、とても感謝しています。初めこそ驚きはしましたが、まさか、かの使徒だとすれば、ワタシのような者には到底――」
「到底、受入れられるものではない。君の顔にはそう書いてあるようにみえるよ、ローワン牧師」
受入れられない。過去の人物の映し身である幻想騎士として夏喜に使えているジューダスは、ローワン牧師が崇拝している宗教の始まりまで遡る存在であり、神の子に使えた正当な使徒の一人だ。
だからこそ、彼がここに立ち、自分たちのために動いていることこそが、奇妙な出来事であること感じている。
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