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「『彼』は今、鈴蘭を護っているようだけど、元は麗蘭の腹の中にいたんだ。その時は麗蘭の感情に反応していてもおかしくはないよ。言い方は悪いけど、怪異の行動理由はすごく単純だからね。だからこそ、麗蘭に向けられていた悪因を潰したんだろう。今となってはわからないけどね」
「それと今回のスズランの件はどう繋がる。確かに"肝試し百峠"で影が著しく反応して今の形になったと考えられるが、憑依までするのは度が過ぎるぞ」
「憑依?」
「いいの。君は気にしないで。ところで麗蘭。今回の依頼、君は3つ提示したね」
1つ目は――鈴蘭の"憑き物"の排除。2つ目は――発生源の特定。3つ目は――浄化。
「そのどれも、君はいいのかい。わたしが依頼を完遂すると言うことは、『彼』との別れだ。君には、その覚悟がある?」
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