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Paragraph 10/解呪ノ儀(1)/Rut Of Hope
「確かに儀式の場所を探してっていったけどさ・・・・・・」
鬱蒼とした木々を山頂へと抜ける風が揺らす。近くにはフェンスに囲まれた近代的な施設はあるが、人の気配はない。沖縄県内に点在しているアメリカ軍が管理する基地施設の一角である"八重岳通信基地"。その入口の手前に、だだっ広い空間があった。
「遠くね? なぜここ?」
夏喜が麗蘭に儀式の場所に指定した条件。
霊場であること。普段人が立ち入らないこと。ユタとノロの関係が希薄な場所であること。この3つだった。そのためか、沖縄本島の本部半島にある八重岳の頂近くまで登ることとなった。麓から山頂に続く整備された道の端には、千本鳥居のように続くカンヒザクラがアーチ状に植えられており、日本一早い桜の開花スポットとなっている。
「なんでママまでいるのさ。てか何するの」
夏喜の運転する車(昨日の事故により別の車に変更)とは別に、麗蘭も自身の運転で到着していた。
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