Paragraph 10/解呪ノ儀(1)/Rut Of Hope

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 和紙にルーン文字を刻む。一文字書くたびに青白く励起する。両手足首分書き終え、呪詛返し対策としてインナーの背中部分に同様の術式を組み込む。 「・・・・・・これでオッケーっと。少なくともわたしが取り憑かれる最悪だけは回避しよう。ジューダス、もしもの時は、わかっているね」 「ハズレくじだ。お前は、初めからオレに最後の尻拭きをさせるハラだったんだろう」 「それだけ信頼してるってことじゃん。そのための幻想騎士(レムナント)だ。わたしの寿命を半分も費やしたんだから、君は成果を出してもらわないと。わたしはそれができる人選をしたと思っているよ」  軽口の魔女。けれど、彼女たちが今からすることは、降霊術でも悪魔祓いでもない。1つの存在を神に御仕上げる偉業であり、信仰の実績がない邪道。夏喜はA子の言葉を反芻した。 「・・・・・・これはもはや外間家だけの問題ではない。A子は鈴蘭に怯えている。青い春に紡いだ友情は一生モノだ。こんな形で仲違いするのは、あまりにも不憫でならないよ」 _go to "It's All Over Now, "Black Lily"".
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