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倒れた棚によって鈴蘭に当たろうとして瓶は遮られたが、事の騒動に気付いた店員が駆けつける。それから逃げるように集団は散り散りになり、目の前の出来事に硬直していた鈴蘭だけが捕まってしまった。
現場に残されたカバンは、鈴蘭たちが通う高校の指定のもの。そこからいくつかの未会計の商品が出てきたことから、万引きの現行犯として警察に引き渡されてしまった。
その様子を眺めていた夏喜にだけは、何が起きたのか理解ができた。
昔の無音映画のようではあるが、意味もわからずいきなり鈴蘭は罵倒されたのだろう。その時に彼女の背後に黒い影が浮き上がり、瓶が投げられた瞬間、鈴蘭を護るように棚に伸びた影の腕がそれを引き倒した。
――カチリ。
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