Paragraph 12/ドリーム・スタッキング/Love Is Over

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 場面が変わる。  人工的な風景から一変し、深い夜になった。鬱蒼とした木々をわずかに整備された道を集団が懐中電灯を手に進む。背後には道の両脇に拝所のようなものがあり、互いをチェーンで道を塞いでいたが、それをくぐって進んできたのだろう。  集団の後方にはA子とBパイセンが赤色に髪を染めている鈴蘭に寄りかかりながら歩いていた。ため息をつきながらも、先へ進んでいく連中に遅れまいと歩みを進めている。"肝試し百峠"の最中だろう。その場所もどこかは夏喜も理解していた。  沖縄県の有名なリゾート地域である恩納(おんな)村の一角にある心霊スポット。ユタの修行場の1つであるSSS(スリーエス)内を探索している。  意気揚々と進むE助とF郎、カップルで楽しんでいるC友とD男、そしてそれに続く鈴蘭とA子とBパイセンの順で周りを見渡しながら集団は先を進むが、数歩進むたびにA子とBパイセンは叫んでいるようだった。
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