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また場面が変わった。先程のメンバーが移動手段として使用していたワンボックス車が停車している。車内では女性陣が夜中の疲れからか眠っていた。男性陣は運転の休憩を兼ねてか、社外に出て缶コーヒーを片手に紫煙を揺らしている。
「なあ。お前は誰が好みか?」
声が聞こえる。先程まで無音の世界にいた中で、男たちの会話だけはなぜか知覚できた。D男がバイク仲間のE助とF郎に探りを入れている。
「やっぱ■っしょ。あんな女そういないばーよ。お前は誰か?」
F郎の好みはBパイセンかーと夏喜が1人納得する。高校生ながら、出るところは出て、引っ込むべきところは引っ込んでいる妖艶な身体をしており、女の夏喜からみてもいい身体をしていると思っていたが、身近にもっといい女がいることを思い出して嫌な気分になった。
「俺は特にいないな」
「強がんなやー。軽くよ考えれ。ヤるなら誰だば?」
F郎に促されたE助は答えを濁した。その答えに気に入らないD男が口を挟む。
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