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バイクを運転しているE助の姿が見えた。暗い道を巧みな操縦技術によって疾走する。
黒色の車体が夜を駆け、赤いテールランプが尾を引く。目指している先はどこかは夏喜にはわからないが、次第に見覚えのある道が見えてきた。
「そこはだめだ!」
魔女が思わず夢の出来事に叫ぶ。
叫んだところで、もちろんその先が変わることはない。それが夢である以上、干渉することは叶わない。視聴中の映画に忠告しようにも、その内容が変わることは決してない。
住宅街から人通りの少ない新しい道を風を切って進むバイク。その先は、――
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