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膨れ上がる質量があろうと、決して外に出ることはないだけの設計をしている。だからこそ、溢れ出た影が外に漏れることはなく、麗蘭の身の安全も、周辺地域への呪いの露出もない。
けれど、だからこそ中に入る隙間がなければ対処の仕様がない。
「ナツキ! 無事か!?」
ジューダスが影に飲み込まれた魔女の名を叫ぶ。わずかに、魔力の残渣を感じていた。
「――っどぅりゅあああ!!」
何かを中心にして放射線状に影が消失する。わずかな隙間。その中に、意識を失っている鈴蘭を抱えた夏喜の姿があった。
_go to "Lost Child".
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