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「ダメだ! 中に入るな!!」
夏喜が叫ぶ。彼女の背後には、ジューダスを飛び越えた影の槍が数十本にも分裂していた。
それを必死に払い落とすも、いかに神槍の出力をあげようにも、彼の身体1つでは到底足りない。堰から溢れた影の一本が、夏喜の背に襲いかかる。
その間に――疾走する1人の影が、夏喜の静止の声も聞かずに割り込んだ。
「つっ――」
「ちっ・・・・・・バカ! 何をしている、麗蘭!」
肩を貫く影により、垂れる血が身体を赤く染める。痛みに耐えているからか、唇を噛み声も出さずに耐えていた。麗蘭の突然の行動に声を荒らげる夏喜だが、彼女のおかげで鈴蘭を無傷で結界の外に出せた。すぐに結界内に戻り、麗蘭に駆け寄ろうとした時に、――影の異変に気付く。
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