Paragraph 13/解呪ノ儀(3)/Lost Child

4/7
前へ
/212ページ
次へ
「ダメだ! !!」  夏喜が叫ぶ。彼女の背後には、ジューダスを飛び越えた影の槍が数十本にも分裂していた。  それを必死に払い落とすも、いかに神槍の出力をあげようにも、彼の身体1つでは到底足りない。堰から溢れた影の一本が、夏喜の背に襲いかかる。  その間に――疾走する1人の影が、夏喜の静止の声も聞かずに割り込んだ。 「つっ――」 「ちっ・・・・・・バカ! 何をしている、!」  肩を貫く影により、垂れる血が身体を赤く染める。痛みに耐えているからか、唇を噛み声も出さずに耐えていた。麗蘭の突然の行動に声を荒らげる夏喜だが、彼女のおかげで鈴蘭を無傷で結界の外に出せた。すぐに結界内に戻り、麗蘭に駆け寄ろうとした時に、――影の異変に気付く。
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加