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「ジューダス! 祓うぞ!」
「――『丘へと登れ、ミストルティンの棺を担げ!
丘へと登れ、汝の名を刻んだ十字架を担げ!
天地よ、天使よ、大天使よ、
父なる神よ、預言者よ、神の使徒よ、
殉職者よ、告白者よ、清めし処女よ、祈りを掲げよ!
穢れを祓え!
悪を祓え!
魔を祓え!
葡萄とパンを持ち、その名を叫べ!』――」
ジューダスが悪魔祓いの呪文を紡ぐ。"名"のない影に対する未完成な祓の祝詞に神槍の穂先が眩く輝いた。
影の周囲を取り囲むように赤い魔法陣が出現する。その効果は祝詞による束縛であり、修祓のための門を開く。
「――善蘭・・・・・・あの子の、名前です・・・・・・」
夏喜に身体を預け、痛みに耐えていた麗蘭が口を開く。あの子とは――彼女が自らの腹に宿し、そして消えた我が子に他ならない。
「――『善蘭よ! 消えし者よ、天を仰げ!
善蘭よ! 宿されぬ者よ、頭を垂れよ!
善蘭よ! その禊を改め、汝の名を刻み、叫べ』――!!」
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