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悪魔ではない影に対し、ジューダスは言葉を変えた。本来なら穢れし者、失墜者、追放者をそれぞれ悔い改める三構成の終の祝詞となるが、あえて別のものに変換し、悪魔祓いの形を成した。
赤い魔法陣のそばで、赤い十字架が八つせり上がる。それぞれが影の方を向き、次第に白く変化していく。
実体化のまま拘束されていた影は、徐々にその形状を崩壊させていく。桜のように散っていく姿を見つめる三人。その中で、――
「――消えないで!」
結界の外から、意識を取り戻した鈴蘭が声を荒らげた。消えていく自らの片割れに、涙を流して訴える。
「消えないで! うちを置いていかないでよ! ずっと一緒にいたんだったら、最後まで一緒にいてよ!」
それが鈴蘭の心からの願いだと、共に産まれるはずだった片割れへの、初めての言葉。
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