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「ジューダス! コレを!」
夏喜が懐から取り出して投げたのは、ヒビの入った小さな箱――桐で出来た鈴蘭のへその緒がはいった臍帯箱。それを受け取ったジューダスが、神槍の穂先で"X"と刻んだ。
「――『天の逆月、地の万象、
彼岸の果てに巡る船出、
彼の戸の先に、新芽と咲け』――」
ほとんど塵となって消えようとしている影へと、ルーン文字を刻んだ臍帯箱から一条の光が繋がる。
麗蘭の子として名を与えられた消えた我が子。鈴蘭と善蘭のつながりを、彼女のへその緒を触媒にして接続し、――
「行かないでっ!」
「麗蘭! 名前を呼べ!」
娘の絶叫を、息子の名前を呼ぶように促された母が、静かに口を開く。
「――おかえりなさい、善蘭」
_go to "Qué Será, Será".
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