Paragraph 14/ナンクルナイサ/Qué Será, Será

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Paragraph 14/ナンクルナイサ/Qué Será, Será

「――これから帰るよ。ああ、長らく宗次郎を預けて悪かったね、藍那」 『大丈夫よ~。宗ちゃん、すっごくいい子で、アーちゃんとも仲良しちゃんだから私もたのしいわ』 「あの子、わたしにも懐いてほしいけどな・・・・・・まあそこは気長に待つか。それじゃあ、また後で」 『は~い。ナッちゃん、気をつけてね~』  携帯電話を切り、ポケットにしまう。レンタカーを業者に引き渡した夏喜とジューダスが那覇空港のエントランスへと入っていった。  八重岳(やえだけ)通信基地前の広場での顛末は、鈴蘭に憑いていた"影"――善蘭を定着化することとした。  触媒に使った鈴蘭のへその緒は"母体"との接続を意味し、魂の共有化・同一化として残すこととした。鈴蘭と善蘭、両者が双子であることが功を奏した結果であり、霊的なものを呼び込みやすい鈴蘭の体質もあることから、善蘭を守護核にすることで元の鞘になった。
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