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「お待ちしておりました、夏喜様、ジューダス様。今回の件、本当にありがとうございます」
出会ったときと同じような琉装を召した麗蘭と、カジュアルな服装を着た鈴蘭が空港まで見送りに来ていた。鈴蘭の後ろには、赤子のような形をした善蘭の姿も見える。
「悪いね、わざわざ送別に来てくれたのか」
「はい。依頼料の件もありますので」
「ママ、直球すぎ・・・・・・」
「ははは。けど、麗蘭。君はあの時、鈴蘭を守るために動いた。本来ノロの立場としては静観を決め込んでいたのにだ。やっぱり、仕来りよりも"家族"を選んだんだね」
ユタの聖地からの影響も受けた善蘭の件に干渉しないようとしていただけに、あの時の行動は夏喜も驚いていた。けど、後にその意味も知ることになる。
「君は、まだイザイホーを遂げていなかったんだね。イザイホーは12年に一度、30歳以上の女性が行う。そして、次のイザイホーは再来年だ。なら、君はまだ正式にはノロではないはず」
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