Paragraph XX/闇より出でし幻想の古兵/Why Am I Me

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「――俺を召喚した(よんだ)のはお前か」  瞳を焼くほどの光量が減少したときに、魔法陣の中心に、腰に日本刀を携えた一人の男が立っていた。  泥と藁は消えている。スワンプマンの術式により、触媒として消費されたそれにより、鋭い眼光を持つ剣士が召喚された。  背中にはドクロの刺繍を施した黒のライダースジャケットを羽織り、髪はオールバックの黒髪。男は、突然の出来事に戸惑いを見せることなく、視線の先にある異形に口を開く。 「ふん。これが幻想騎士(レムナント)というものか」  男は、元来魔法に関わる人生を歩んでいない。腰に差した刀とともに、自らの流派によって培われた技術のみが、男が歩んだすべてだった。  だからこそ、第二の人生にと召喚魔法を施されたことにより、無意識に魔法の何かを理解した。
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