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Paragraph 1/アルス/The Fang
「――宗次郎、食事終わったら食器持ってきてよ―」
「んー」
まだ日も昇る前。宗次郎が食卓で眠い眼をこすりながら、朝食のパンを頬張る中、前日から放置していた食器類を洗う夏喜がキッチンから声をかける。
沖縄から帰郷して数ヶ月。その後、これといって大きな依頼はなく、細々とした仕事を済ませていた。宗次郎も倉山邸での生活にも慣れ、何度も紫桃家にも訪れる機会もあってか、今の環境に馴染みだしている。
「あ。お兄さん。おはようございます」
「ああ。おはよう、坊主。今日も変わりないか」
いくつかの荷物を持ったジューダスが居間に入る。倉山家の朝は早い。
「うん。ぼちぼちって感じです」
「おいおい。君はおじさんか。ジューダス、作業は終わったかな?」
「ああ、どうにかな。術式の大筋はお前の血判で完成だ」
「ありがとう。宗次郎、悪いけど後で一緒に来てほしい。見せたいものがある」
「んー」
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