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「――イヤッホー!! 外の世界だやった―!! 自由だ―!!」
デリンジャーへと注がれた魔力により、一匹の大きな獣が出現した。その姿はおおよそ狼に近いが、人語を話したかと思えばその場で飛び跳ねている。
「ほあっ!? 何すかこれ! 犬? 犬ってやつじゃん! いや、この毛並みは狼? 気品あふれる狼っすねこれ! いえーい! 尻尾! 尻尾はやっぱ追うっしょ!」
犬型の獣は庭先を駆け出し、自身の尻尾を求めてくるくると周りだした。その様子を、生暖かい目で三人は眺めていた。
「なあ、ジューダス。アレは失敗かな」
「……いや。一応、お前のリクエスト通りの純子のはず……」
「あれは、犬なの? 馬鹿なの?」
「ん。なんか視線を感じるっす。やめて! オイラをそんな眼差しで見ないで~!」
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