Paragraph 1/アルス/The Fang

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 ――"純子(タイプワン)"、超越種より派生した始まりの獣とも云われる『牙』の精霊族(グレムリン)。  夏喜はデリンジャーのグリップ部分にはめ込んでいた魔石の古代魔具(アーティファクト)を依り代に呼び出し、顕現を契約の証とした。 「当契約にクーリングオフは適応されません」 「横暴っすね! 消費者センターに電話しよ」 「なんで君はそんな俗っぽい返しができるんだ」 「精霊族の性格は契約者に引っ張られるそうだぞ。つまりお前(ナツキ)のせいだな」 「ハズレじゃん! 別のやつに替えよう!」 「当方はお取替えの対象外ッス」 「毛並みふさふさ~もふもふ~」  中庭から居間に移動した面々が犬型の使い魔を取り囲んで座る。宗次郎は抱きつくようにして毛に埋もれていた。 「は~、やっちまったな~。戦力強化と思ってだったのに、クセツヨじゃん」 「お前自身が曲者なんだからお似合いじゃないか」 「え、マスタークセツヨなんすか。だっる」 「おい、本音ダダ漏れか。もっと言い方あるだろう」 「お前、色々と否定はしないんだな」 「もふもふ~」
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