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――"純子"、超越種より派生した始まりの獣とも云われる『牙』の精霊族。
夏喜はデリンジャーのグリップ部分にはめ込んでいた魔石の古代魔具を依り代に呼び出し、顕現を契約の証とした。
「当契約にクーリングオフは適応されません」
「横暴っすね! 消費者センターに電話しよ」
「なんで君はそんな俗っぽい返しができるんだ」
「精霊族の性格は契約者に引っ張られるそうだぞ。つまりお前のせいだな」
「ハズレじゃん! 別のやつに替えよう!」
「当方はお取替えの対象外ッス」
「毛並みふさふさ~もふもふ~」
中庭から居間に移動した面々が犬型の使い魔を取り囲んで座る。宗次郎は抱きつくようにして毛に埋もれていた。
「は~、やっちまったな~。戦力強化と思ってだったのに、クセツヨじゃん」
「お前自身が曲者なんだからお似合いじゃないか」
「え、マスタークセツヨなんすか。だっる」
「おい、本音ダダ漏れか。もっと言い方あるだろう」
「お前、色々と否定はしないんだな」
「もふもふ~」
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