Paragraph 2/いざ、カクヒエヴァへ/Hot Spot

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「なによ」 『お前、毎度毎度スタートからキレ気味なのなんなんだ! こっちはクライアントだぞ!?』 「うっさいわね。君までわたしをグラウンドゼロにしようっての? 焼け野原になるわ」 「なんの話をしてるんだお前は」 『なんの話だ? 別件ならそこで処理しろ。オレには関係がない』 「恒例行事か! それで要件はなに。今機嫌悪いんだけど」 『知ってるわ! たっく。明日の朝空港へ行け。ハワイ行の便に乗れ。今回はホムンクルスも連れていけ』 「え? なんでよ。仕事なんでしょ?」 『知らんが伯爵からの通達だ。メッセンジャーに詳細は聞くな』  どっちだよと夏喜が心で舌打ちをする。仕事と言ってるのに宗次郎まで連れて行くのは理に適っていない。どう考えてもリスクしかないはずだが、伯爵の判断ならばなにか意味があるのかもしれないと渋々受け入れることにした。 『チケットは他のメッセンジャーが持ってくる。フロアに着いたら待っていろ。じゃあな』 「あ、ちょっ……ちっ。切りやがった」 「なにか用があったのか?」 「いや別に。嫌味でも言ってやろうと思っただけよ。あーやる気しねぇ」  不貞腐れた夏喜が携帯電話を床に放り投げて寝っ転がる。 「あ。もしかして。いや、考えないでおこう」  独りごちるも、ジューダスにはなにか伝わっている様子であった。
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