Paragraph 3/御用改めであるⅠ/X-OUT

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「……何かわかったみたいだな」  ジューダスもそれを感じた。夏喜とアギトにだけ通じるなにか。二人は視線を合わせ、それだけで答え合わせは済んだかのように口を開く。 「そうね。日本人なら()()で習う。こいつは幻想騎士。名前は――」 ///  数時間前に遡る。場所はカアラ自然保護区の中心地より南西に数キロ離れたところに建つ旧倉庫。鬱蒼とした木々に囲われた忘れられた場所。そこを囲っていた木でできた一騎の使い魔が一刀のもと斬り伏せられた。 「こいつが使い魔(もののけ)の類か。話には聞いていても、実物は案外あっけないな」  背に骸の刺繍を施したライダースジャケットを羽織ったオールバックの男。左腰には鋼鉄の刃が収められていた。
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