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幻想騎士・黒鉄。スワンプマンより承ったある指令を遂行するために単身X-OUTのアジトへと潜入しようとしていた。
「ふむ。今ので炙り出せると思ったが、別のものか。ひい、ふう、みい……残り九つ。さて、当たりはどれかな」
アジトの周囲を取り囲む使い魔の監視網。そのどれがどちらかの判別がつかない以上、黒鉄としては一つずつ当たりを引くくじ引きを強いられている。なぜなら、どれかの使い魔によって強力な結界が敷かれており、アジトへの侵入が阻まれていた。
「面倒だが、虱潰しは仕方ない。あの頃に比べれば、浮いてるだけの凧にも劣る」
重心を落とし、地面を深く踏みしめる。呼吸を整えた黒鉄が――風へと変わる。
施設の周囲を覆う結界は、半径200メートルに及ぶ。外周1200m強を駆ける影が、およそ三分で八騎もの使い魔を斬り伏せた。
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