Paragraph 3/御用改めであるⅠ/X-OUT

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「当たりは二つだったか。残りの一つは別物ならばいまは無視していいだろう。さて、結界が消えた以上、逃げられる前に終わらせるか」  黒鉄が倉庫へと踵を返す。結界が晴れたことで、内部からは異様な雰囲気が漏れていた。 /// 「――結界が破られた!? 協会のエージェントが強行したのか!?」  倉庫内には大柄な男が二人とフルフェイスヘルメットを被ったタイトなレザースーツを着こなした女性、そして白衣を着たアジア人が赤い薬品を囲っていた。  その中で、外を覆っていた結界が消失したことで白衣を着たアジア人――ハカセがうろたえている。 「落ち着けよハカセ。あんたはブツを整理してゴーグルと裏に行きな。ここはオイラとレンジャーで十分だ」  ゴーグルと呼ばれたのは――フルフェイスヘルメットの女性であり、レンジャーは大柄で黒い肌の筋肉質な男性である。
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