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「はい。孝輔さん、今どこにいるの?」
スマートフォンの着信に応答し、瑞貴は電話相手の南条に問い掛けた。
『乗り換えの駅。あと二分で電車来るから。ここまですごくスムーズに来ちゃって電話するタイミングなかったんだ。ごめんね』
申し訳なさそうな彼の声に、瑞貴は笑い混じりに返す。
「だいたいの時間聞いてたし、そんなの気にしなくていいよ。じゃああと二十分くらいだね、ちょうど食べられるようにしとくから」
『ありがとう。楽しみだな。──お土産ちゃんと買えたからね』
恋人の一人暮らしの部屋で、瑞貴はもうすぐ帰ってくる彼を待っている。
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