赤点前夜

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 でも待て。冷静に考えたら怪しすぎる。そもそもアイスの精ってのがあからさまに怪しいし。  僕は考えた。手っ取り早く彼女が言うことがウソか本当か確かめる方法を。 「……じゃあ、ハーゲンボーデンのアイス食べたい。CMでやってたクリスピー何とか」 「ハーゲンボーデンのクリスピーサンドですね。はいどうぞ」  根津子さんはそう言って僕の勉強机を手のひらで示した。  「はいどうぞ」って、机に瞬時にハーゲンボーデンが現れるワケが── 「現れてる!?」  電気スタンドに照らされて、そこには『ハーゲンボーデン クリスピーサンド』と高級そうな文字が書かれた小さな箱が置いてある。しかも味に関しては何も言ってないのに僕の好きなキャラメル味。 「い、いつの間に……」 「簡単な願いだったので」  そう言う根津子さんの無表情の中に得意気な雰囲気が滲んでる気がする。
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