ハウリング・パス

3/3
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 ところが、しばらくすると夕焼けに染まる出口が見えてきて、ぼくはトンネルから外に出てしまった。 「あれ?今どこ?」  ぼくはスマホに向かって言った。 「私、今トンネルの出口・・・」 「おかしいな・・・ぼくもトンネルから出ちゃった。すれ違わなかったよね?別のトンネルに入っちゃったのかな?」 「そうかもね・・・でも・・・」 「でもどうしたの?」 「それなら、どうしてあなたの自転車がここにあるのかしら?」  やっぱり峠のトンネルって、怪談話に事欠かない。  そんなわけで、ぼくのファーストキスはおあずけになった、と言うわけ。 〜終わり〜 9a4c48c4-13b3-4efe-ae97-aa86e14b7673イラスト たやす
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!