カルテ3 動機

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カルテ3 動機

アタシは箱入り令嬢。 実の母親から聞いていた 夜の遊びを するには家が許してくれない。 大事にされているからではない。 実の母親は十の昔に 離縁して家にはいなくて、 後妻の継母は、 アタシを嫌う。 うるさいし、厳しい。 跡取りに生まれた弟しか、 父親も関心はない。 時代錯誤な政略結婚の道具な アタシ。 そんなアタシが 自由にさせて貰える 時間も金も限られていた中で 覚えたホストクラブ。 実の母親はホストは良い気分転換 相手になると言っていたのを 思い出し、 派閥の取り巻きを2人連れて、 ストレスの捌け口に 足を踏み入れた街。 運転手の車を降りて、 歩いたのも初めてだった。 貴方は『ヘルシのアマネ』って 呼ばれてて、 何故か異常にヘルプに 回されていた。 だから虐められてるのかもって 思っていた程度の認識。 アタシも 初回でつく何人目かを 送りに 決めて、 そのまま担当にしたから。 いかにも美男子、 幹部補佐の韓流系が アタシの永久担当になった。 取り巻き2人も、 男メニューから誰か決めて、 それからは 1人で店に行く様になったから その後は知らない。 抜け出す、限られた時間で バレないように 偽名で遊ぶ アタシはせいぜい細客の1人。 上ランクの王子なんて、 すぐに卓を変えられてしまう。 王子が席を外す間を つなぐ ヘルプがアマネくんで、 何故かヘルプ指名が多い 貴方をアタシも ヘルプ指名するようになった。 底抜けに明るくて へんな訛りに愛嬌があって。 凄くはないけど、 ちゃんと 見た目整っている。 気がついたら、 王子よりも一緒にいて癒される 相手になっていた。 本当は もっと注ぎ込んで、 貴方の隣を独占したかった。 幹部補佐とか、 上クラスじゃない、 もしかしたら下順位なら、 本気で 相手にしてくれるかもしれない。 隠しているドリーム。 でも行動には出来る程、 図々しくない。 令嬢らしくない。 でも、 貴方に自担当の女が来る日は ヘルプ指名しても、僅かな 合間。 そんな日は 自分の選択ミスに嫌になる。 貴方がヘルプの間に勧めるから、 高いボトルを入れるのと、 何度も告げた。 王子は確かに顔が良いし、 スマート仕草でドキドキした。 でも、 仕事で接しているのは 解るし、、 それがどこか社交の子息男子と 変わらない感覚を思い出させて、 いうなら いつか政略結婚する疑似愛対象。 王子は仕事王子。 愛はない。 それに気がつくと 王子遊び、には冷静になった。 なのに、、 『あー、何そんなん気にせんよ。 ゆーか、僕ん『つり目』好物。 キッツい見た目ん姫、 ドストライクやのん。自信持っ て大丈夫ってな?オケ?』 貴方の声だけが、 騒々しい空間でも聞こえて、 自担当の女に話す、 貴方の言葉を盗み聞きして 気がついてしまった。 貴方の担当女って、皆、 『つり目』なのを。 アタシにない瞳。 『・・・・』 『カガリちゃんって、本当に 可愛いよね。口元のホクロとか 凄くそそられるし。姫達の中で 断トツのアイドル姫だなあ。』 目の前の 知らないヘルプが、 アタシの偽名で言う言葉が、 営業セリフじゃないのは アタシが1番 知っている。 細客でも、1番可憐な容姿で モテ顔なのは。 アタシ。 でも意味がない。 ネットの掲示板で無数のホスト情報で見つけた文で心が冷える。 『アマネって、趣味カノの顔系統 全部悪女顔だって!ウケる』 『初回に好みの客来たら、内勤に 回すの頼むって聞いたかもー』 わかった時には、遅かった。 貴方が店を辞めたと聞いたから。 どんなに可愛い目元でも 意味がない。 稼ぐ為に顔を変える泥世界を 見ていて ぬるい考えだと横面を 掲示板の住人達に 叩かれてもいい。
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