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おれはタンクトップの脅しを無視して、グリーンのボーダーシャツを着た若い男の方に声をかけた。巡査部長とザリガニの話をしていた背の高い青年だ。
「なあ。未成年の女の子を監禁して、AV撮影か。 立ち止まるか、進むかよく考えた方がいいぞ」
「そんなことしてません」
「そう言うと思った」おれはボーダーシャツの襟をつかんだ。「なめるなよ」おれは襟をさらに引き寄せ、ヨーヨーの要領で突き飛ばしてやった。
ボーダーシャツの青年は勢いよくタンクトップのプロレスラー体形にぶつかった。ふたりがもつれるようにバランスを崩したスキをついて、渡部巡査部長が突入した。
「はい、みんなそのまま! そのままじっとしてる! 何にも触らない!」
渡部のでかい声がキャビンに響き渡る。
「ざけやがって・・・」
タンクトップが呻きながらボーダーシャツを邪けんに突き飛ばした。おれはタンクと対峙することになった。
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