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「俺も覚えたいから、このままここで入れてもらえない?」 「スクリプトですか?」 「うん。」  平静を装いながらも、耳と顔がどんどん赤くなっていくのを感じる。東堂さんの手の下にある自分の手が震えてしまいそうで、全く動かせない。 「すみません、スクリプト自体はもう書いたもの使いまわすので、登録しかしません。登録の仕方は、東堂さんもご存じですよね?」 「久しくやってないから忘れちゃって。おさらいさせて。」  なんだか必死さが混じり始めたように見える東堂さんの目を見ながら、そんなにスクリプト覚えたいのかな、と考えを違う方に向けてみるけれど、やっぱり手は動かせない。 「それは全然、構いませんけど。」  東堂さんの手に力がこもり、キュッと手を握られる。思わずピクリと肩を上げると、東堂さんがゆっくりと口を開く。 「伴内さん、話したいことが、」 「時間かかりそうなら、俺も手伝いますよ。」 東堂さんの言葉を遮るようにして、土屋さんの声が飛び込んでくる。いつの間にか、すぐ後ろに立っていた土屋さんがモニターを覗き込むようにして、私と東堂さんの間に入る。  東堂さんの手がスッと離れていき、私もマウスを放して手を握りしめる。
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